「…少し、休もうか。」

危険地域はとうに抜け、それでも少しでも距離を稼ごうと走りつづけた二人は、
林の中に小さな小屋を見つけた。



「…今ドコ?」

が荷物の中から地図を出して、にらめっこしている。

「…今は…ここ。多分C3ね。」

指を差して教えてやると、ん、と頷く。
それを見たあと、私は夕食の準備に入った。




。今日はが休む番ね。」

食べてる最中、ふと、がそういった。
私は吃驚してシチューを噴出すところだった。

「べ、別に私は大丈夫よ。いいからあんたが休みな。」

いつもならこれで引くのだが、今日は一段と意思が強かったらしい。

「ダメ。だっていっつもそう言って、ずっと休んでないじゃん。」

あたしだって、それくらいできるもん。
が消え入るようにつぶやいた。
多分、なりに私の体を心配してくれているんだろう。
…こうなったら絶対言うこと聞かない…。
変なところ抜けているくせに、変なところで頑固な

…今日くらいはいいか。
言い負かしても、泣きながら抗議されるだろうし…。

溜め息一つついて、わかった。と言うとの表情が変わる。
…ホントわかりやすいヤツ。




じゃ、何かあったらすぐ起こしてね。
といってはあたしに護身用の銃を持たせて寝る体制になった。
すぐにの方から寝息が上がる。


…ホントはこのゲームの事も知ってるんだ。
ちゃんと、わかってる。
お兄ちゃんとお姉ちゃんが話してたから。
あたしが体験するとは思わなかったけど…どんな事が起きてるのか、ちゃんと知ってる。


あたしのこと一生懸命守ろうとしてくれてるけど、
あたしだって、自分の事できるもん。

そこまで考えて、ふと、自分の役割を思い出す。

…見張り、がんばろ。



どれくらい時間が立ったのだろう。
だんだんと眠気が襲ってきた。

…頑張って起きるの…。

そう思い、右手で頬をつねる。

…痛い…。

鈍い痛みが走り、頭が少し冴える。
そのとき、外で足音みたいな物音が聞こえた。


――――― 敵!?

「…、銃は?」

声に反応して後ろを見ると、すでには起きていた。

「起こしちゃった?」

「…別に。人の気配で起きただけ。」

そう言っては銃を構え、入り口付近に立つ。


…ザッ

…ザッ…ザッ…


音が止まった。
どうやら、この小屋の前で立ち止まったようだ。
カタ、と戸があいた瞬間、が銃を突きつける。


「「動くな!!」」





「…い…ぬい…?」

がそうつぶやく。

「………?……それに…も…。」

戸口に立つ大きな人影。
その声は紛れもなく、乾の声だった。